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原著論文

我々自然科学分野では、研究成果を「原著論文」の形で発表することが普通になっている。学問の流れを受けてそうなっているのであり、 歴史的に考察する必要があるが、 それはいずれ別に書こう。
「原著論文」とは、それぞれの自然科学分野における専門科学雑誌(多領域にまたがるmultidisciplinaryな雑誌もある)に、 その投稿規定に沿うように体裁を整えて投稿され、(通常)査読システム(peer-review)を経て掲載される。 よって、 研究者にとって「原著論文」があるということは、それぞれの専門分野において(一定の)評価が認められたことを意味する。

原著論文を英語で書くこと

自然科学分野における”真理の追及”は世界共通であるから、世界中の研究者達に理解してもらうには(ほとんど)英語で記載することが求められている。 一般的に、我々日本人研究者は英語で原著論文を記述することは大変に難しい。また、その「原著論文」が掲載されても、 世界の研究者達から”まじめに”読んでもらうことはさらに難しい。

私自身、学部学生の卒業研究をまとめた論文から、大学院生および下級スタッフ時代(当時の大学の助手、 国立試験研究機関(国研)における”ヒラの”研究員、現在の大学における助教に相当する)の論文執筆時まで、いろいろと苦労した。 今では懐かしい思い出であるが。しかし、私の「英語原著論文」に対する考え方は米国留学中に一変した。 帰国して国研の中間職に着き、自分が取得した(と考えた)”処し方”を実践し、やがて研究室主宰者となり、 ますます自分の英語論文に自信を深めた。

研究発表論文を考えるのに重要な点

私が重要と考える点だけを列挙しておく。それぞれについて詳細を記述していきたい。
 数と質
 どのように”質”を評価するのか
 オーサーシップ authorship ならびに配列順
 上記に関係し 責任著者 corresponding authorとは。 また(共同研究者の内の誰がふさわしいのか
 さらに根本的には 独立性 independence とは