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銀塩からデジタル写真へ

このページは X線写真(レントゲン写真)の理解のために設けたものです。

一般のカメラ写真でも、白黒からカラー化が進展していくにつれて、自分でフィルムを現像する人は少なくなっていった。カラーフィルムのバランス取れた発色には条件が厳しく、 面倒であったので、各フィルムメーカーが設けたラボに送るのが普通にになっていった。私が大学に入った1970年代前半頃にはカラー写真は相当に普及していたが、 それでも未だ、いくつかの分野・領域では白黒銀塩フィルムが使用されていて、自分で現像(さらに印画紙に焼付け)する人はそれなりに居た。 プロフェッショナルに取って当時のカラー写真は物足りなかったのだ。実際、私の手元に残っている1970年以前のカラー写真プリントは、アルバムに挟んであったものでも、 今や相当に色あせしている。ネガでもまた然かり。

近年、半導体素子であるCCDイメージセンサーの改良が進み、普及とカップルした価格低下が一段と進み、今やカメラといえば、フイルムからデジタルへとほぼ完全に置き換わった。 しかし、医療分野でのX線検査では、まだまだX線フィルムが使用されている。
そうした現状を踏まえつつ、また、やがては銀塩フイルムの原理すら忘れ去られるのではないかと思い、ここに簡単にまとめておく。

銀塩フィルム写真の原理

発明当初にはガラス板、やがて透明なセルロイドの薄い板(フィルム)に感光乳剤を塗布する。感光の主成分はハロゲン化銀であり、臭化銀AgBrが多いが、性能・特性に応じて 成分・配合割合を変え、各社の技術の見せ所となっている。乳剤は塗布のためであるが、その後のプロセスによる影響・効果もあり、ここでも各社の競い合いとなっている。 その銀塩は光(あるいはX線)が当たると還元され、金属銀に変化する。この段階では像として現れなく、潜像(潜在的な像という意味)である。 この潜像を持つフィルムを現像液(ヒドロキノンなどの還元剤が主成分)に浸すと、既に形成された金属銀を核にして 金属銀の塊が成長する。 適度なところで定着液(チオ硫酸ナトリウム、俗にハイポと呼ばれる などが主成分)に浸して、未反応のハロゲン化銀を除去し、またゼラチン膜を硬化させ安定化させる。 前工程の現像を developping 後工程を fixingと英語で呼ぶ。
よって、光(またはX線)が強く当たるほど黒くなり(ただし限界がある)、全く当たらなければ、フィルム素材のままで、透明のままということになる。しかし面倒なので、それを対比的に白色と 言うことが多い。私の記述では”白く抜ける”とした。

X線写真

X線写真は一般的にネガの状態である。写真におけるポジとネガの関係で、positive negativeに由来する。 印画紙に焼き付けてポジを得ることは簡単ではあるが、そんな面倒なことはしなくて、ネガのまま読影(映像から読み取る)する。 よって、相対的に透過しにくい部分が白く表現される。 人体で透過しにくい部位は骨であり、胸部X線写真では脊椎や肋骨は ”白く抜け”、周りとの比較で鮮明に映ることになる。 X線の透化率は、原子核の大きさ(原子番号順)と原子間距離に依存し、逆相関となる。ラフに言えば、単位体積当たりの質量である密度に逆相関する。 よって、胸部レントゲン写真では、肺の部分に比べ、心臓の部分が相対的に白く抜けることになる。 放射線科の技師は人体の各部位によって、また医師から撮影目的を聴取して、最適な量のX線を照射する。


オートラジオグラフィ―

この段落、未完です。

 

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