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空間と時間を表す用語

NHK番組 「チコちゃんに叱られる」でのテーマ 鏡はなぜ左右逆に映る?の回答を求めて順次進めている。前ページまでで、 3次元空間の基本軸である 上下・前後・左右の説明とともに鏡像における左右まで説明を一応終え、医療現場における左右に関わる話となった。人体解剖図の続きとして、X線写真の話となる。

X線

レントゲン写真といえば、少なくとも我が国の中年以上の人達は何を差すのか理解できると思う。現在では、レントゲン線に代わってX線と呼ぶことが奨励されている。 X線とは波長1pm-10nm程度の電磁波である。光もまた電磁波であり、ヒトが自然な状態で認識できる波長範囲(可視光線)は約400nmから約800nmである(各波長範囲は分野・研究者により多少異なる)。

ただでさえ脱線気味の私の話が長くなるので、この段落に関する補足を別ページに分けた。そこでのキーワード:
光の二重性 電磁波のイメージ X線の線にあたるray アニメ・ゲーム世界のアイテムとしてのレイ・ビーム・線

X線写真の左右

検索サイトで「胸部X線写真」と入力し、画像を検索してみよう。現れる画像のほとんどが正面像である。 ヒトの心臓は左にあるため、その部分が白く抜け、中央縦方向の間隙が下に向かうと、向かって右へと広がっているのが判る。ここでの左右の表現法・相違はすでに説明したから、 検索で得られた画像、あるいは診療で見せられる像が前から見た像、正面像であることが判る。
胸部X線検査・撮影現場では通常、患者は台に載って立ち、胸を板などに押し付け、時にはおでこ(額)を押し付けるように指示される場合もある。 撮影時に『息を止めて』と言われることがあるが、それは患者の動きによって像が不鮮明になるからであり、上記の姿勢を取ることが最も安定的だからだ。 そしてX線は後方から照射され、胸の前方直に置かれたフィルムが感光することになる。

この段落の補足部分を別ページに分けた。そこでのキーワード:
古典的な写真フィルムの原理 銀塩の還元化 ポジとネガ(X線画像はネガである) オートラジオグラフィ― 輝尽発光
特に、一般的な写真がフイルム式からデジタル式に代わってしまった今、古典的な写真の原理を紹介し、また、将来はX線検査でもフイルムレス化が進むとは言え、現状では まだまだフイルムに依存している状況を記す。

頭部X線写真

頭部のX線写真なんて稀だろうと思われるかもしれないが、歯科の写真は全てであり、他に、鼻骨や頬骨(きょうこつ 俗にほほ骨)の骨折、副鼻腔炎(俗に蓄膿症)などがある。 この場合にも見せられるのは正面像である。
こういう場合、理性ではわかっているが、私には大変な違和感がある。私には鏡で移っている自分の像のとおりにX線写真を置いてもらった方が実感できるのだ。 つまり、鏡像を提示してくれた方がフィットする。そこで医師に『そのX線写真、左右逆にして!』とお願いする。 日頃から”懇意”にしていて、私が相当に”わがままな患者”であると認識している医師はすぐに応じてくれた。 「懇意」と記したが、診療の場以外でもコミニュケ―ションがある医師という意味である。実際、私の勤務していた研究センターは(実質的に)国立小児病院の付属施設で、 また共済組合(会社の健保組合に相当)の指定病院でもあった。 小児病院って小児科のお医者さんでしょ と思うかもしれないが、その辺の事情はまた別の機会に。
しかし、診療の場だけで会う医師には私とてなかなか切り出せない。せめて『その写真、どちらが私の右ですか?』と、わかっていながら問うまでにとどめている。 医師は左右を明示してくれるが、私の真意まで読んでくれることはこれまで皆無だった。

この診療の場におけるX線写真の左右については、自分の診療の場に限らず、通常の会話でもたびたび話題にしていた。 なにせ周りには多くの医師達がいた。一般的に言えば、評判が良くない。せいぜい「そうは言ってもねえ」と、医学教育との兼ね合いを持ち出されるのが多かった。
ある頃から、「医療はサービス業である。患者中心の医療を推進すべき」という風潮が強くなり、この事は大賛成である。しかし、『患者様』と言うような事よりも、 ここに示したように、正面像を提示して左右を説明した後に 『これとは逆向きにして、鏡に映った姿にして説明した方がわかり易いですか?』 と尋ねることこそ、 患者中心の医療ではなかろうか。しかし医師たちの反応は鈍かった。

そんな私の問いかけに対して明瞭にポイントを語ってくれた医師が2名いた。これらは私の思索を進める上で大いに役立った。その話を次に紹介する。 美容整形の現場手相の話である。

最後に、本ページをアップロードするにあたり、この問題を扱っているサイト・ページがあるかを検索サイトで調べた。少し驚いたが、すでに実践している医療機関があったので、 是非紹介し、こうした対応を応援したい。
  もがき歯科医院
歯科X線写真の左右を説明した後に 以下『』内はサイトから引用 患者の意向を聴いて、それに応じている。 『もがき歯科医院では 逆にするときがある。 自分の写真と向き合うほうがよいのか 鏡と向き合う方が良いのか』

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