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空間と時間を表す用語

「チコちゃんに叱られる」でのテーマ 鏡はなぜ左右逆に映る?

昨年(2019年)12月20日、NHK「チコちゃんに叱られる」番組で、「鏡はなぜ(左右)逆に映る?」がテーマに取り上げられた。 チコちゃんの回答は毎度捻くれているが (それ自身はエンターテインメントとして楽しめる)、その時は「わからない」と簡潔だった。 しかし、会話や解説の中に考える上に非常に重要なポイントがいくつかあったが、番組中に強調されることはなく、また、鏡像の左右逆転を真に理解するのは さらなる説明が必要だろう。
私は以前から空間・時間を表現する言葉(用語)について興味を抱き、書き貯めてきた。この機会に整理し、番組のポイントとともに掲載することにした。 

「チコちゃんに叱られる」番組中の重要なポイント

鏡像における左右逆転を理解するには、まず左右の概念の整理が必要である。番組ではの概念が紹介された。
「左」について広辞苑(岩波書店)では(第一義として)次のように記載されている。
   南を向いた時、東にあたる方
一方、解説者として登場した法政大学 吉村浩一教授は次のように述べた。
   南を向いて立って、東側が左である
広辞苑の記述は番組中にも紹介されていたが、この2つの微妙な違いに気付いた人は果たしてどのくらい居るのだろうか?  私は吉村教授の表現が勝ると断言する。
逆立ちして南を向く、あるいは、股覗きしたらとうなるのか、答えは自明であろう。「立って」の導入である。第2のポイントは「側」の導入である。 空間を示す用語には多種あり、ここで使用されているのは 方(ほう) 方向 側であり、数学的意味合いで 線あるいは領域的意味合いの多寡に関わることで、詳細は後術する。

次のポイントは 左右は 上下前後が決まって初めて成り立つ概念 というポイントで、番組でも語られた。

以上を踏まえ、当初の課題である「鏡はなぜ(左右)逆に映る?」に順次迫っていく。下に、項目と各要点を記載しておく。 このページを離れる前に、私なりの左右の定義と、鏡像の左右に対する回答を先に記載しておく。

私の 左右の定義

左右とは、3次元空間における直交する3軸の内の1つの軸を表現しようとするものであり、上下軸と前後軸、およびそれらの方向が決定されて初めて決定される。 上下軸・前後軸の両者を含む面で区分され、ほとんどのヒトで心臓の位置する側を左と呼び、その反対側を右と呼ぶ。

鏡像の左右逆転に対する 私の回答

番組中では俳優の泉谷しげるさんが右手に赤いリンゴを持って鏡の前に立った。鏡に映った泉谷さんのリンゴを持った手は右手か左手か?
チコちゃんの回答は「わからない」であった。
私の回答は、「右手、左手の両者とも一理ある」である。 要するに、状況と、質問者の意図次第である。
右手にフィットする私の感覚について、医療現場における左右その2 「そのX線写真 左右逆にして!」に記載した。


ページ キーワード
はじめに
「チコちゃんに叱られる」でのテーマ
鏡はなぜ左右逆に映る?  このページ
言語はそもそも、人間中心の表現 自然言語 学術用語
上下 重力の方向
前後 視線の方向 生物学的には運動の方向 頭足類イカ
左右 人体の左半側・右半側
対面した人の左右 視点の移動 相手の立場に立つ 共感への一歩 
鏡像における左右 本質は 前後軸の反転
医療現場における左右 その1 人体解剖図 脊椎の位置
医療現場における左右 その2 そのX線写真 左右逆にして! 患者中心の医療
10 医療現場における左右 その3 美容整形 手相の社会は依頼人中心 眼で見て脳で視る

空間時間の日本語・英語表現を深く考えるきっかけとなった、私の大学院生時代の研究 細菌の細胞集合体の研究 を掲載しました。